外断熱と内断熱はどちらも断熱を目的としたものですが、断熱方法に違いがあります。この記事では、外断熱と内断熱の概要や両者の違い、メリット・デメリットなどを紹介しています。また、外断熱と内断熱を選ぶ際のポイントについても取り上げているため、これから家を建てようとしている方は参考にしてください。外断熱・内断熱とは引用元:Pixabay住宅建設を検討していると、「外断熱」「内断熱」という言葉を耳にすることがあります。断熱とは断熱材を使うことで住宅への外気の侵入を遮断することです。そして、この断熱材を設置する場所によって外断熱と内断熱にわかれます。ここでは外断熱と内断熱の概要をそれぞれ紹介します。外断熱とは外断熱とは、断熱材を住宅の外側に設置します。具体的な設置箇所は柱の外側です。建物全体を断熱材で包み込むような形で設置するため気密性は非常に高く、外気の侵入を防いでくれるだけでなく、屋内の温度も逃げにくくなっています。ちなみに外断熱では、発泡プラスチックのような板状の断熱材を使う点が特徴です。内断熱とは内断熱とは、断熱材を住宅の内側に設置します。具体的な設置箇所は、柱と柱の間つまり柱の内側です。柱や部材の間に断熱材を設置することで外気の影響を抑えます。内断熱に使用する断熱材は、ガラスが繊維状になっているグラスウールや古紙を活用しているセルロースファイバー、ポリスチレンなどさまざまです。また、内断熱は外断熱と比べると施工しやすくコストも抑えやすい点が特徴だといえます。外断熱と内断熱の違い引用元:北洲ハウジング公式ホームページ外断熱も内断熱も断熱を目的としている点は同じですが、主に以下の点が異なります。断熱材を設置する箇所気密性使用する断熱材断熱材を設置する箇所に関しては先ほども説明しているように、外断熱は柱の外側に断熱を設置するのに対して、内断熱は柱の内側に設置します。また、外断熱は断熱材が建物を包むように設置されるため気密性が高くなりますが、柱と柱の間に断熱材を設置する内断熱は断熱材を設置できない箇所が出てくるため、どうしても気密性は劣ってしまいます。そのほかにも、外断熱に使用する断熱材は限られていますが、内断熱は種類が豊富で価格が安いものも揃っています。家の造りと外断熱の効果の関係引用元:株式会社六花舎設計公式ホームページ外断熱に関しては、家の造りによって断熱効果に違いがあります。ここでは家の造りと断熱効果の関係について解説します。木造の場合木造住宅の場合、鉄筋コンクリートの住宅と比べると熱容量(温度を上昇させるために必要な熱量)が小さく、建物自体が外気の影響を受けにくいという特徴を持っているため、外断熱にすると効果を感じにくくなります。そのため、木造住宅には内断熱の方が適しているでしょう。鉄筋コンクリートの場合鉄筋コンクリートの住宅の場合、熱容量が大きく熱が伝わりやすいという特徴があるため、外気の絵鏡を受けやすくなります。そのため、気密性を高めることのできる外断熱とは相性がいいといえるでしょう。実際に、外断熱は鉄筋コンクリートが多い北ヨーロッパなどでは主流の断熱方法となっています。外断熱のメリット・デメリット引用元:photoACここでは外断熱のメリット・デメリットを紹介します。家づくりの際は良い点も悪い点も含めて外断熱がどういったものなのか理解することが大切です。メリット外断熱のメリットは、気密性が高く結露が発生しにくい点にあります。先ほども説明しているように、外断熱は建物全体を断熱材で包み込むような形で設置するため、気密性が高くなります。また、気密性が高いと外気との気温差による結露の発生も抑えられます。ちなみに、結露が発生しにくいということは、家の寿命の観点から見ても良いことです。これは結露が発生するとカビや錆が発生し、住宅の劣化が進んでしまうためです。家を守れるという点でも外断熱は魅力的だといえるでしょう。デメリット外断熱は、建物を断熱材が包む形となるため、どうしても外壁が厚くなってしまいます。そのため、外断熱を施した家を建てたい場合、敷地や間取りに余裕がなければなりません。都心でよく見られる狭小地を使った物件だと難しい可能性があるでしょう。また、外壁が厚くなることからデザイン性を重視した住宅も建てにくくなります。そのほかにも、気密性が高いことからこまめな換気は欠かせません。さらに、外断熱は内断熱と比べるとコストがかかりやすい点にも注意してください。内断熱のメリット・デメリット引用元:photoAC外断熱同様、内断熱にもメリット・デメリットがあります。ここでは具体的なメリットとデメリットをそれぞれ紹介します。メリット内断熱のメリットは、外壁への影響が出ないことです。外断熱のように外壁が厚くなることがないため、狭小地でも断熱性能を備えた住宅を建設できます。また、同じ理由からデザインにこだわった家を建てることもできるでしょう。費用面に関しても、内断熱は外断熱よりも安価であるため、利用しやすくなっています。これは、内断熱の場合断熱材を部分的に使用する形となり、断熱材の使用量自体が少なくなるためです。そのほかにも、内断熱は日本では一般的な断熱方法であるため、多くの工務店が対応できる点も特徴です。デメリット内断熱のデメリットは、外断熱と比べると気密性が低くなることから結露が発生する可能性があることです。内断熱は断熱材の設置方法上どうしても隙間ができ、気密性がさがります。そのほかにも、断熱材を柱の内側に入れることから、後になって配線や配管の場所を変えるのが難しい点もデメリットといえるでしょう。外断熱か?内断熱か?選ぶときのポイント引用元:photoACここまで読んで、外断熱にするべきか内断熱にするべきか迷っている方も多いのではないでしょうか。ここでは外断熱か内断熱か、選ぶときのポイントを紹介します。地域性断熱方法を選ぶポイントの1つが地域性を考慮することです。東北地方や北陸、北海道など寒い地域の場合、外気の影響を受けやすいことから外断熱の方が向いているでしょう。気密性が高いことから、外気の影響で室内が寒くなるといった事態を防ぐことができます。室内が冷えにくくなれば、暖房の使用量も抑えられるため、経済的でもあります。住宅構造先ほども触れているように、住宅が木造であれば内断熱が、鉄筋コンクリートであれば外断熱が適しています。木造で内断熱を選択する場合、気密性が外断熱よりも劣ることから湿気や結露を気にする方もいるかもしれません。そのような場合は、断熱材にセルロースファイバー+透湿シートのものを使用するのがおすすめです。セルロースファイバーは木質繊維が絡み合うことで高密度での施工が可能となります。予算予算をできるだけ抑えたい場合は、内断熱がおすすめです。ただし、施工後の冷暖房の使用量など、長い目でみると内断熱よりも外断熱の方がトータルコストでは安くなる可能性もあります。検討する際は、施工にかかる費用だけでなく、トータルコストもチェックしておきましょう。外断熱と内断熱は併用できる引用元:株式会社黒澤工務店公式ホームページ外断熱と内断熱は併用することもできます。この併用のことを「付加加熱」といいます。付加加熱は、外断熱と内断熱の特徴を組み合わせた工法であり、断熱性能が特に高い点が特徴です。以前は主に寒冷地で取り入れられていた工法ですが、近年では省エネや環境への意識の高まりからさまざまな地域で付加加熱を採用するケースが見られます。外断熱と内断熱を組み合わせることから費用が高そうなイメージを持っている方もいるかもしれませんが、必ずしもそうとは限りません。場合によっては外断熱のみを施工するよりも費用を抑えられる可能性があります。これは、断熱は断熱材の使用量によってコストが高くなりますが、付加加熱の場合、内断熱も取り入れているため、外断熱で使う断熱材の量を抑えられるためです。ただし、付加加熱は高い技術力が必要となる工法であるため、施工会社選びは慎重に行わなければなりません。宮城県で高気密の家を建てられる工務店・メーカー引用元:北洲ハウジング公式ホームページここでは、宮城県で外断熱・内断熱を駆使した高気密の家を建てられるメーカーを紹介します。家づくりを検討している方は参考にしてください。北洲ハウジング北洲ハウジングは、株式会社北洲の事業ブランドのひとつであり、岩手・宮城・福島・栃木・埼玉で家づくりを行っています。北洲ハウジングは、8つの基本性能を備えた家で、家族の健康を守ることを重視している点が特徴です。その性能の1つに断熱性能が含まれています。具体的には、環境大国であるドイツの不燃断熱材「alsecco(アルセコ)」を採用しており、断熱性能は北海道地域におけるZEHの基準を超えるとされています。【「北洲ハウジング」公式ホームページはこちら】六花舎設計六花舎設計は、埼玉県久喜市で注文住宅やデザイナーズ住宅を手がけている会社です。同社の新築住宅・注文住宅では、高性能住宅の証明の1つである「HEAT20」におけるG2レベルの断熱性能を誇ります。また、家の中と外の両方に断熱材を使用するダブル断熱を採用することで、夏も冬も快適な状態を維持することができます。さらに、屋根の断熱も行っており、屋根裏に熱がこもりやすい状態を回避することも可能です。【「株式会社六花舎設計」公式ホームページはこちら】黒澤工務店黒澤工務店は、さいたま市を中心に家づくりを行う工務店です。同社は、家族に安らぎやくつろぎをもたらしてくれるような家づくりを目指しています。SW工法を採用する同社の家は、季節に関係なくいつでも快適に過ごすことができ、騒音や生活音もしっかりと防いでくれます。昭和21年に操業して以来、70年以上にわたって家づくりに取り組んできた黒沢工務店は、実績も顧客からの信頼も申し分なしです。【「株式会社黒澤工務店」公式ホームページはこちら】まとめ引用元:株式会社六花舎設計公式ホームページ今回は、外断熱と内断熱の概要やメリット・デメリット、断熱方法を選ぶときのポイントなどを紹介しました。外断熱と内断熱はどちらも断熱を目的としたものですが、柱の外側から断熱をするか、内側から断熱するかという違いがあります。家を立てるエリアや家の造りなどによって外断熱を選ぶか内断熱を選ぶかが変わってきます。また、近年では2つを組み合わせた付加加熱という方法も選択できます。今回の内容を参考に、住宅の断熱方法を検討してみてください。